【勉強法】正しい勉強の方向性と試験に効果がある勉強【総論】

勉強法

勉強のやり方がこれで良いのか迷っている人
「試験勉強をしているけど、自分のやっていることが正しいのか不安…正しい勉強方法ってないの?」

これから勉強を始めようと思っている人
「これから勉強を本格的に始めようと思っているけど、どうすれば良いのか分からない…適当に初めて失敗して時間を無駄にしたくないし…」

この悩みにお答えします。

講師歴約6年の僕がこの記事を書いています。
今まで数多くの生徒を指導し、旧帝大や難関大学志望の生徒を志望校へ合格させてきました。
こうした経験を基に本記事を書いています。


この記事を読めば、今取り組んでいる勉強の方向性が正しいものなのか否か、はっきりすると思います。
そして、正しくない場合にはどのように修正するべきか分かるはずです。

また、これから勉強を本格的に始めようと考えている方も十分参考になると思っているので、是非最後まで読んでみて下さい。

勉強には種類がある

突然ですが、僕は一口に『勉強』と言っても種類があると考えています。
「何を言っているんだ」と聞こえてきそうですが、こんな事を真剣に考えてみたことがないと思うので、少し考えてみて下さい。

皆さんが勉強をするのはなぜですか?


恐らくですが、ほとんどの方が『試験で点数を取るため』だと思います。
定期試験にしろ、受験にしろ、資格試験にしろ、いずれにしても(個々人が目標とする)点数を取ることが目的だと思います。

つまり、僕たちは『試験のために勉強している』のです。

余談ですが、試験のための勉強ではない勉強もあります。
例えば趣味でする勉強や、研究者がする研究(勉強)、社会に出てからスキルを身に付ける、などの勉強です。

こういった勉強はもちろん一定の目標・目的はあるでしょうが、その目的は試験(=点数を取るため)ではありません。



「お前は何が言いたいんだ」と皆さんは思っておられるかもしれません。

しかし、いざ勉強を開始すると、この事を忘れて試験に役に立たない事をしたり、酷い時は試験と全く関係のない事をしてしまうのです

皆さんは自分の今やっている『勉強』が本当に『試験のための勉強』だと自信を持って断言できますか?


今まで指導してきた受験生も勉強はしているけれども、『試験のための勉強』をきちんと出来ている生徒はあまりいませんでした。

試験に備えていないので、どれだけ努力をしていたとしても点数は上がりません。

努力しているにも関わらず、結果が伴わないというのはあまりにも理不尽です。
頭では分かっているのに、実行できない。

この問題は、決して安易に考えてしまって良いものではなく、もっと真剣に考えなければならないものだと思います。

目的意識を持って、それを強く意識する

試験のために勉強する人には明確な締め切りが存在します。それは、『試験当日』です。

『試験当日』までに十分勝負が出来る程の学力を身につけなければなりません。

そして、大抵の場合ほとんどの方が『試験当日』までに準備をする時間がないことが多いです。

従って、試験のために勉強する人にとって無駄にできる時間など微塵もなく、目標に向かって一直線に進むしかないのです。

そのためには『目的意識をしっかりと持ち、強く意識する』ことが必要不可欠です。


目的意識が明確で、しっかりと意識している人はブレません。

自分の位置がどの辺りなのかをきちんと把握し、目的までの距離を認識した上で、どのようにすれば目標までの距離が縮まるかを考えて行動しています

このような人たちと比べて、特に考えもなく行動する人がどうして勝つ事ができるでしょうか。
答えは簡単で、勝つことなど出来るわけがありません。

これまで指導してきた生徒で、やはり点数や成績が上がる生徒はきちんと目的意識を持っている子が圧倒的に多かったです。

目的意識を持っている生徒は、自分で1つ1つの取り組みに意味を持たせていました。
何となくで」とか「誰かが言っていたから」とかではなく、目標まで最短距離を進むにはどうすれば良いか、を自分の頭で考えて日々の勉強に反映させていました。

問題集1つ取ってみても、きちんとした理由で選んでいます。

友達から勧められたから」とか、「先生がそう言っていたから」とか、「◯◯さん(合格者)が言っていたから」などという他人に依存する理由では決してありません。

自分の志望校の過去問を分析し、模試の成績を分析し、その上で取り組むべきものを決めているので、「どうして(なんで)それをやっているの?」と尋ねると、きちんと彼らなりの理由を答えてくれます。

反対に考えていない生徒はきちんとした理由は答えられません。
これまでたくさんの生徒の悩み相談に乗ってきました。
なので、少し話せば効果的な勉強をしているか否かというのは分かります。

こんな風に自分の頭で考えて、何をどうやっていくかを決められる人間は強いです。
というのも、目的を持ち、きちんと意識しているので目標に向かって最短距離を進むことができるからです。

試験に効果的な勉強とは

じゃあ、どうすれば効果的な勉強をする事が出来るんだ」と思っておられる方が多いでしょう。

それは簡単です。ここまで読んで下さった方で勘の良い方ならもうお分かりかもしれません。

そうです、『試験に対して効果的な勉強』とは目標と自分との間の距離を正確に把握し、その距離を埋める具体的案を打ち出し、実行する事です

そして、ここに言う『目標』とは自分が近い将来解かなければならない問題、すなわち『試験問題』のことです。

しかし、残念ながら(というか当たり前なのですが)我々が解く『試験問題』は試験当日に初めてお目に掛かるわけです。
ですから事前に解くことなど叶いません。

ということで、『試験問題』に一番近い『過去問』を『目標』にすることになります。

これは過去問検討の意義〉という記事でもっと話を広げるつもりですが、まずは過去問をしっかりと分析して下さい大学受験に限らず、『試験』と名の付くものは全てそうです)。

余談ですが、「過去問なんて二度と同じ問題が出ないのだからやる意味ない」などという、あまりにもお粗末な意見を耳にする事があります。
本当に嘆かわしいです…

おそらく過去問を問題集か何かだと勘違いしているのでしょう。

しっかりとした過去問検討をしないで試験に臨むなど、地図を持たずに森を歩くようなものです。
ほぼ間違いなく道に迷って出てこられなくなります


森を抜けられた(=合格できた)としてもそれは確率論でしょう。
つまり、運が良かっただけなのだと思います(運も実力の内と考えるのであれば、それはそれでアリです)。

確率論で勝負したいというのであれば止めませんが、僕は嫌いですし、この記事を読んでくださっている皆さんには確実に合格して頂きたいのでおすすめすることは出来ません。

話を戻しますが、
試験を受ける受験生は過去問と常に一緒に在るべきです。
過去問や模試から『どういう力が求められているのか』というのを把握して下さい(=目的の設定)。

そして、しっかりと分析して得られたものこそが、あなたの目標とする試験で合格するためにあなたが出来なければならないことです。

反対にそれ以外のことは、基本的に誰になんと言われようともやる必要はありません

それ以外のことをやってしまうと、ただでさえ時間がないのに、さらに時間をロスしてしまいます。
これでは合格するものも合格しなくなってしまいます。

目的を設定し、目的を達成するための具体的案を考える

言葉にするととても簡単そうに聞こえますが、指導経験上、実際に実行できている人は少ないです。

実行できていないのにはちゃんとした理由があります。
その理由は簡単で、実行できていない人たちは、目的・目標ではなく『手段』にばかり気を取られてしまっているからです。

本来、手段なんて何でも良いのです。僕たちが求めているものは、あくまで『目標を達成する』ことです。
これ以外に求めているものは存在しないはずです。

にも関わらず、目標を達成するための手段にすぎないものに拘ってしまいます。
例えば、『どの問題集を使うか』とか『どの参考書を使うべきなのか』とか『どんな方法で勉強するか』などです。

繰り返しになりますが、こんなものは本当にどうでも良いことです

重要なことは、『手段とは目的に応じて決定される』ということです。

理想的な思考過程としては、まず①目標を見据えて、目標と自分の距離がそれほど離れているのか(=自分がどういうことを出来るようにならなければならないのか)を確認します。

その次に②その距離を埋めるために具体的に何をするべきか(=手段)を考えます(ここに勉強方法や、使う参考書・問題集が含まれます)。

この思考の順序が重要なのです。

①の方が②と比べて圧倒的に重要なのは一目瞭然でしょう。
何せ②に必要以上に拘ったところで、自分の目標が達成できるかどうか分からないのですから。

自分の中で①をしっかりと認識している人であれば、②にこだわることが如何に馬鹿げたことか分かると思います。

①(抽象)を認識せずに、②(具体)のような何か具体的なことをやり出す人は、『何をすべきか分からないのに何かをやり出す人』ということです。

効率が悪いどころの話ではありません。

そして、目的をきちんと意識できている(①)のであれば、そのための手段(②)は自然と(それこそ演繹的に)導かれるものです。


昨今の受験界では、目的地(①)に至る道(②)があまりにもバリエーションに富み過ぎてしまっています。

時間の経過とともに、目的地への道が無数に作られ(場合によっては舗装され)てきました。

本屋に平積みされている無数の参考書・問題集や、合格者の各々が唱える無数の勉強法などをみれば明らかかと思います。

しかし、今も昔も、どれだけ時間が経過しようが目指すべき目的地は1つしかないのです。

このことを強く意識してください。

無数の道に気を取られ過ぎて目的地を見失い、道に迷わないようにしなければならないのです。



例えばの話をしましょう。
皆さんが友人と遊ぶことになって、駅に13時に集合することになったとします。
駅に行くための手段は、『徒歩』『自転車』『』」『タクシー』『バス』の5つがあるとします。

あなたは8時に起きました。

さて、あなたはどの方法で駅に行くのが1番良いと思いますか?



おそらく大体の人は(場合によっては少し考えて)こう思うはずです。

「何でも良いや」と。

『13時に駅に着くこと』が目的(①)なわけです。
そのための手段は5つあるわけですが、時間通りに駅に着きさえすればよいわけですから、どうでも良いし、何でも良いのです。

もちろん細かいことを少しは迷うと思います。
例えば、『徒歩』は疲れるし、時間がかかる、『自転車」『車』は停める場所をどうしよう、『タクシー』は料金が高い、『バス』はちょうど時間の良いバスがあるのか、など。

でも、こんなことは些細なことです。
これを考えたところで、『13時に駅に着く』という目的を忘れることはないと思いますし、何よりもどの手段で行こうか真剣に考えたり、長時間迷ったりすることはないと思います。

つまり、人間というものは本来、手段にすぎないものに拘る生き物ではないのです。
この例では、おそらくほぼ全ての人が、何でもいいでしょ、と思うはずです。

ところが話が変わって、これが勉強という分野になると、人は手段に拘り始めます(本当は勉強だけではなく他の分野でもそうなのですが…)。

手段に拘る例としては、自分の行きたい志望校や、合格したい試験を突破するためには、『○○』という参考書・問題集をやらなければならないとか、△△さんの言っている勉強法をやれば合格できるといったものが挙げられます。

こういう思考に陥っている場合には注意が必要です。
なぜなら、そういう考え方をする人は既に自分の目的・目標を見ていないからです。

目的・目標を見失った人間はほぼ確実と言って良いほど道に迷います(目的意識もなく、色々やった挙句に結局何をしたら良いのか分からない、というのがこの典型例ですね)。

そして、道に迷った挙句、本来の自分の目的を忘れて、手段に過ぎないものを目的にしてしまいます

手段が目的化してしまう現象は、少し気を緩めると起きてしまいます。
従って、手段を目的化してしまわないように、常に意識しておく必要があるのです


話を戻します。

次に少し条件を変えて、寝坊をしてしまったとします。
そしてお昼の12時に起きました(寝坊の域を超えているかもしれませんが、そこは目を瞑ってください)。

誰でも焦りますよね。
だって約束の時間までもう1時間を切っているのですから。

この場合、先ほどと異なり、取るべき手段が何でも良いだなんて事はなく、多少の犠牲(お金など)を払ってでも約束通りの時間に着けるような手段を選ぶはずです。

間違っても『徒歩』や『自転車』を選ぼうとする人はいないでしょう。

でも、駅から徒歩5分圏内に住んでいる人は別でしょう。『徒歩』を選んだとしても余裕で間に合います。

僕が何を申し上げたいかというと、『人によって現在の諸条件や環境が違うのだから、目標までの距離も違う』ということです。

8時に起きた人はどんな手段でも構いません。
でも、12時に起きた人が取れる手段は限られています。
駅近に住んでいる人は手段に融通が効く。


同じ『13時までに駅に着く』という目標を掲げていても、人によって取るべき(取ることが出来る)手段が異なるのです。

ですから、僕は自分で自分と目標までの距離を確かめましょう』と再三申し上げているのです。


これはよっぽどのことがない限り他人からは分かりません。

自分のことは結局自分が1番よく知っているのです。というか、知っていなければなりません。

敵(試験)を知り己を知れば百戦危うからずです。

まとめ

試験に効果がある勉強』について記事を書いてみました。いかがだったでしょうか。

かなり抽象的な内容になってしまいましたが、『目的意識を明確にし、手段を考える』という考え方は勉強分野はもちろん、それ以外の分野でも通用する重要な考え方だと確信しています。

一応断っておきたいのですが、この記事では意図的に『具体的な勉強方法』というものを書いていません。

なぜなら、内容が具体的であればあるほど特定の人にしか当てはまらない恐れがあるからです。
特定の人にしか適用できないものを無責任にお伝えすることは出来ません。

100人いれば、100通りの勉強方法があります。
ある人の勉強法が自分には合わないという事は往々にしてあるのです。
前提として、この当たり前のことを理解しておく必要があります。

ですから、僕は皆さんに自分に合った勉強方法を考えてもらいたいのです。


これからも万人に当てはまる内容を心がけて記事を書いていこうと思っています。

本当に大事なものはいつも1つしかありません。『目的』だけです。

手段に過ぎないものにこだわり過ぎないように、そして手段は目的に応じて姿を変えるということを十分に理解する必要があります。

この記事が皆さんの勉強の方向性を見直すきっかけになれば嬉しいです。



勉強する理由についてはこちらの記事をご覧ください!

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