高校受験や大学受験を控えた子どもを持つ保護者の皆さん。家庭での子どもとの接し方に悩んでいませんか?
勉強のことを話すと機嫌が悪くなる。子どもが何を考えているのは分からない等々。今回は、そんな受験生を持つ親がどのように我が子と接するのがいいのかを考えてみたいと思います。
教育業界で15年。延べ1000名以上の子どもを高校・大学へと送り出してきた私が、受験を控えた子どもへの親としての接し方をアドバイスしていきたいと思います。
この記事を最後まで読んで頂くと、受験生の我が子との接し方が少し変わるかもしれませんよ。
受験生の子どもとの接し方
突然ですが、受験生の子どもを持つ皆さん。自分の子どもとは、上手くコミュニケーションは取れていますか?
「思うように話ができていない」・「うちはバッチリ問題なし」など家庭によって状況は当然異なりますが、コミュニケーションが取れているから大丈夫と思うのは結構危ない考えです。
コミュニケーションが取れているという家庭ほど、実は受験に失敗しやすい家庭だと言えます。
なぜなら、正しくコミュニケーションが取れている家庭は実は案外少ないからです。
受験生との接し方で大切な点は4つあります。
①正しいコミュニケーションが図れている。
②親が子どもの現状をしっかりと把握できている。
③進路(志望校)についての情報共有・認識ができている。
④時期ごとに②~③についての情報が更新されている。
これら①~④を意識したコミュニケーションが図れている家庭ほど、受験が上手くいく確率は上がります。逆に、コミュニケーションが図れていると思っていても、これらを意識していない家庭は受験に失敗する可能性が高まります。
それでは、①~④までを項目ごとに詳しく説明していきたいと思います。
正しいコミュニケーションとは
受験生の子どもとコミュニケーションを図る上で重要なことは、子どもの話にちゃんと耳を傾けているかどうかです。
例えば、子どもがテストの結果を持って帰ってきて、その点数が悪かったとします。大抵の親は子どもを叱る或いは、呆れて不機嫌になると言ったところではないでしょうか?
希に全く興味なしという親もいると思いますが、そんな人は恐らくこの記事は読まないので、一旦横に置いておきましょう。
さて、話を戻します。子どものテストの結果だけを見て叱ったり、呆れて不機嫌になる気持ちはよく分かりますが、正しいコミュニケーションという観点では得策ではありません。
別に叱ったところで、テストの点数が上がる訳でもないですし、何より子どもからすれば、怒っている人とコミュニケーションを取ること自体が難しいからです。
怒ること自体が悪いという訳ではなく、怒ることで感情的になると正しいコミュニケーションが取りづらくなるということです。
では、どうすればいいのか?
答えはシンプルです。
子どもがそのテストの結果をどう思っているのか?を聞いてみることです。
もしかすると、前回のテストより点数が上がっているかもしれませんし、試験日に体調がよくなかったなんてこともあるかもしれません。
コミュニケーションで一番大切なことは、相手の言い分をしっかりと聞く事と、自分の意見を押し付けないことです。
子どもの言い分をしっかりと聞いた上で、親子で対話を行うことが正しいコミュニケーションへの第一歩となります。
親が子どもの現状をしっかりと把握する
さて皆さん。自分の子どもの得意科目や苦手科目、1日にどのくらいどんな勉強をしているか知っていますか?
これが即答できる人は、かなり凄いと思います。
大抵の親は子どもに勉強しろと言う割には、実際に子どもの学習状況を正しく把握できていません。
正しく把握できていないにも関わらず、口出しだけはする。←仕事に置き換えてみて下さい。嫌な上司の典型じゃないでしょうか?
受験を成功させる確率を上げるためには、子どもの頑張りが当然必要ですが、それと同じくらい親のサポートも必要となります。
正しく子どもをサポートするためには、子どもの今をしっかりと把握しておく必要があるのです。
子どもがどんな勉強をしているのか?受験に対して意識が向いているのか等々。親としてみるべき視点は沢山ありますが、それらは親が積極的に知ろうとしなければなりません。
知ろうとすることと、前述したように口出しして押し付けることは全く別ですので、注意してくださいね。
進路 (志望校)についての情報共有と認識
子どもの受験する学校のことについてあなたはどの程度知っていますか?また、子どもがなぜその学校に行きたいかの理由を答えることができますか?
正しいコミュニケーションが図れてくると、子どもの志望校やその先の将来についてに話が及ぶことででしょう。
子どもの行きたい学校やその先の将来ついて知ることは、親の受験の第一歩です。
子どもの目指す学校がどの程度の難易度なのか?なぜその学校に行きたいのか?を知らずして、適切なサポートは行えません。
親が子どもの行きたい学校のことを知っているだけで、子どもにとっては安心感を得ることができるのです。
その他にも、お互いの知っている学校の情報を共有することで、子どもにとっても親にとっても、知らなかった情報が補完される場合もあります。
特に、受験の出願日や入試日程・入試方式などは親子で揃って確認することでミスを防ぐことができます。
たまに子どもの好きなところに行ってくれればいいから進路(志望校)はどこでもいいという親と出くわすことがあります。
一見子どもの意思を凄く尊重しているようにみえますが、少なくとも子どもがどこに行きたいのか?何をしたいのか?については知っておくべきだと私は思います。
好きなところにと言われて、膨大な選択肢を与えられた子どもが、自分の現状に合った進路を適切に選べるかという点もそうですし、子どもからしたら自分の進路に興味を持ってくれているのかと不安に思うことでしょう。
日々のコミュニケーションの中で、子どもの進路を認識し時にはヒントを与え導いていくことも親にしかできないことだと思います。
時期ごとに最新の情報が共有されている
受験においての親子のコミュニケーションで最も重要なことは、時期ごとに子どもの最新の情報(状況)を親が把握できているかです。
例えば、入試の1年前・半年前・2か月前といった分け方をした場合。入試の2か月前に親が持っている子どもの情報(状況)が1年前のものでは情報が古すぎるということです。
受験生の状況は日々変化しています。模試の結果で一喜一憂することもあるかもしれませんし、勉強をしていく中で他に目指したい学校が出てくるなんてこともざらにあります。
逆に全く勉強が出来ていなかった為に、当初希望していた学校には到底届きそうにないということも大いにあり得ます。
ここで大切なことは、時期ごとに親子でしっかりと現在の状況の共有を図ることです。
時期の考え方は、1ヶ月ごとでも2ヶ月ごとでもいいですし、模試などの結果の帰ってきたタイミングごとでも構いません。(3ヶ月超のスパンはお勧めしません)
共有してほしい内容は次の3つです。
①進路(志望校)に変更はないか
②目標に向けての勉強は順調であるかどうか
③順調でなければどのように軌道修正をしていくか
適切な時期にこれらの話が、親子の間でできていれば、常に最新の情報が共有されるようになっていきますし、スムーズにいってない場合や、進路変更があった場合に早い段階で軌道修正を図っていくことが可能となります。
受験においては、情報が大切とよく言われますが、その情報の中には「我が子の情報」も含まれているということを覚えておいてください。
まとめ
今回は保護者向けの受験生との接し方についてお話しましたが、いかがでしょうか。
子どもを心配するあまり、ついつい口出しし過ぎて喧嘩になってしまう方も多いと思います。
しかし、子どもと正しいコミュニケーションを図ることによって、受験が成功する確率は大きく上がりますし、事実私は今まで何百という受験生の親と話をしてきましたが、大抵受験がスムーズに進む家庭は上記のように正しくコミュニケーションを図り、子どもの状況を適切に把握している方がほとんどでした。
この記事を読んで頂き、正しいコミュニケーションで好循環を作り出し、親子の絆がより深まることに繋がれば幸いです。
子どもとのコミュニケーション内容でお困りの方はこちらの記事が話のタネになるかもしれません。
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