受験勉強における「常識に基づいた思考」の重要性について

勉強関連

皆さん。「常識」について深く考えたことはありますか?

「常識」と言われても何が常識で何が非常識なのかは人によって違うし、そんなことが受験勉強と関係あるの?と思う人もいるかもしれませんね。

実は「常識」はあるとないでは雲泥の差があります。そして問題を思考する際、常識に基づいて思考することで、飛躍的に問題に対する理解が進むと言えます。

今回は、あくまで日本国内におけるいわゆる「一般常識」と呼ばれるものをテーマに話を進めていきたいと思います。

私は教育業界で15年。延べ1000名以上の子どもを高校・大学へと送り出してきましたが、いわゆる難関大学(旧帝大)に合格していく人には大きく2つの共通点があると分析しています。

一つ目は「豊富な語彙力」そして、二つ目がこれからお話する「常識に基づいた思考」です。

一つ目の「豊富な語彙力」についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

では、なぜ常識が必要なのか?常識に基づいた思考とは何か?を説明していきたいと思いますので、しばしお付き合いください。

受験勉強における「常識に基づいた思考」とは

ここで、一つ皆さんに質問したいと思います。

日本で路線バスに乗っているとき、バスの扉は進行方向の右側か左側どちらにありますか?

この問題の答えは左側なのですが、ここで重要なのはなぜ左側に扉があるかと言うことです。

日本の道路は左側通行なので、当然バスの扉は左側にしか設置されません。

仮に、バスの扉が左右どちらに設置されているかが分からなくても「日本の道路は左側通行」という常識に基づいて思考が出来れば、直接的に答えが分からない時も常識を用い間接的に答えに辿り着けるということです。

もちろん、これは受験勉強をする際、入試問題を解く際にも応用できるのですが、こういった常識が不足していると、解ける問題も解けないということになりかねません。

言い換えると「常識に基づいた思考が出来れば、その分容易に問題を解くことができる」ということです。

そもそも常識って何?

次に、そもそも常識とは何かを考えてみましょう。常識とは辞書では次のように定義されています。

ある社会のある時期において、一般の人々がとくに反省することなく当然のこととして共通に認めている意見や判断のことであり、その社会の歴史のなかから自然に形成されること。

日本大百科全書(ニッポニカ)

簡単に言うと、誰もが共通の認識をもっている物事であると言うことです。

例えば、朝の挨拶は「おはよう」これは常識といえますが、人によって認識に差が出るもの例えば、炭酸飲料と言えば「コーラ」これは、人によって答えが変わるので常識とは言えませんよね。

何が常識で何が常識でないかを考える際の一つの基準として、自分の主義や主張・嗜好を介在させないことが重要だと考えます。

もう一つ注意しなければならないのは、日本の中での常識と海外での常識は必ずしも同じではないと言う事です。

受験で英語の読解をしている時は、日本の常識は当てはまらな場合があるので注意が必要です。

また、同じ日本の中でも地域によっては常識と捉えられていることであっても、他の大多数の地域では常識でないこともあるので注意が必要です。

例を挙げると、東京などの首都圏ではお正月に酢だこがおせち料理に入るのはごく一般的ですが、関西やその他の地域では一般的ではないなどです。

このように、何が常識で何が常識ではないのかの線引きをしっかりすることはとても大切なことと言えます。

常識にも種類がある

これはあくまでも私個人の考えですが、常識には大きく分けて3つの種類があると考えています。

①不変の真理

②専門分野での常識

③経験則に基づく常識

の三つに分類できます。それぞれがどういうことなのかを例と共に見ていきましょう。

①不変の真理

読んで字のごとくなのですが、最も重要なことであると言えます。

例えば、「日本で一番高い山は富士山である。」「地球は太陽の周りを回っている」など現在から未来において変わることのないものが、この不変の真理にあたります。

ただし、如何に不変の真理であっても時代が変われば、不変の真理ではないということを忘れないでください。

どういうことかというと、「日本で一番高い山は富士山である。」これは、2021年ではそうですし、今後も突発的な事象(例えば、富士山が噴火のはずみで崩れ標高が低くなり北岳の方が高くなってしまうなど)がなければ恐らく富士山は日本一高い山であり続けるでしょう。

時代を太平洋戦争開始時の1941年に戻してみましょう。さて皆さんに問題です。「日本で一番高い山はなんでしょう?」

「富士山」と思った人は残念ながら不正解です。この時日本で一番高い山は台湾にある玉山(新高山)となります。当時は台湾も日本の領土であった為このようになってしまいます。

このように、不変の真理を考える場合もいつの時代に焦点をあてるかが重要となります。

②専門分野での常識

常識の中でも広く一般的ではないが、特定の業界や集団・コミュニティの中では常識とされるものがあります。

例えば、皆さんが会社で働いているとしましょう。同僚が外に仕事に出掛ける時、どのような挨拶をしますか?

大抵の人は「行ってらっしゃい」とか「気を付けてね」などではないでしょうか?

それらの挨拶は、一般的な常識なので当然正解です。

では、皆さんが働いている会社を建設業界としましょう。この場合、同僚が外に仕事に出掛ける時の挨拶はどうなるでしょうか?

この場合、「行ってらっしゃい」とか「気を付けてね」でも間違いではないのですが、多くの人は「ご安全に」という挨拶をすることでしょう。

このように、特定の業界や集団・コミュニティ内で常識とされていることもあるので、注意が必要です。

専門分野での常識は、基本的には受験勉強においては必要ありませんが、受験勉強という分野で考えるのであれば、過去問は必ず解くなどの受験をするにあたっての常識は備えておくべきと言えます。

③経験則に基づく常識

経験則に基づく常識とは、過去の経験から導かれるものです。必ずしも自分自身が経験している必要はなく、テレビで見たや本で読んだなどの伝聞であっても構いません。

例えば、デパートで小さな子どもが迷子になっていたのでデパート内に設置されている迷子センターに子どもを連れて行ったとします。

あなたは、子どもを迷子センターのスタッフに引き渡しその場を離れました。

さてこの後、起こり得ることはなんでしょう?

ほとんどの人がこの後「迷子の呼び出しの放送が入る」と想像するはずです。

この先読みは実は非常に重要です。過去の経験などから、この先どのようなことが可能性として起こり得るかを常識に基づいて予測することは、問題を解く際に極めて重要かつ必要な力と言えます。

常識に基づいた思考が出来るようになるには?

では、どうすれば常識に基づいた思考が出来るのか?と皆さん疑問に思うと思います。

常識に基づいた思考が出来るためには、前提条件としてまず常識が身に付いている必要があります。

受験勉強において優先順位が最も高いのは、「不変の真理」次に「経験則に基づく常識」の順番となります。

数学の公式などは、不変の真理に該当しますし、知っていて当然と言えます。学問的な内容に限らず広く一般的とされていることは、覚えておく必要があります。

書店やネットなどで一般常識の書籍等が売ってますので、そういったものを活用することもお勧めです。

次に「経験則に基づく常識」ですが、これに関しては本などを読む際・或いはドラマなどを見る際に次の展開を予測していくことで、先読みの力をつけることができます。

これら二つの力がついてくると、自ずと「常識に基づいた思考」が出来るようになってきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「常識に基づいた思考」について記事を書いてみました。

勉強しているけど、なかなか点数が伸びない・読解問題が苦手などの悩みがある人は常識に基づいた思考が出来ていない可能性があります。

常識に基づいた思考を身に付けて、点数アップや志望合格に結びつけてみてはいかがでしょうか。

 

 

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