皆さん。受験において語彙力が如何に重要か正しく認識できていますか?
何も受験や勉強に限ったことではなく、語彙力が増える(語彙が豊富である)と良い事づくめです。
今回は、語彙力の重要性とどうすれば語彙が増えるのかについてお話したいと思います。
私は教育業界で15年。延べ1000名以上の子どもを高校・大学へと送り出してきましたが、いわゆる難関大学(旧帝大)に合格していく人には大きく2つの共通点があると分析しています。
1つ目は、「常識に基づいた思考が出来る事」そして、もう1つが「豊富な語彙力」です。
1つ目のお話は別の機会に記事にしたいと思いますので、今回は「語彙力」に焦点を当てていきたいと思います。
この記事を最後まで読んで頂くと、「語彙力」の重要性や語彙の増やし方についてのヒントになると思います。
受験における語彙の重要性について
皆さん受験勉強と言えば何を想像しますか?
高校入試であれば、「国語・数学・英語・理科・社会」いわゆる5教科の勉強。大学入試であれば、国公立なら5教科7科目・私立なら個々の大学に応じた受験科目の勉強を想像しませんか?
もちろん、皆さんの想像は間違ってはいません。しかし、語彙が乏しいとそれらの想像している勉強は大抵効果を発揮しません。
言い換えると、5教科の勉強は適切な語彙力(語彙量)の上に成り立つものなのです。
もし、この記事を読んでいる中高生の皆さんで、勉強しても全然結果に結びつかないという人がいれば、それは語彙の不足に起因しているかもしれません。
なぜ、受験で語彙力が重要なのか?
さて、本題に入りましょう。なぜ、受験で語彙力が必要なのか?
理由は3つあります。
①問題文は基本的に日本語で書かれているから
②英語であっても日本語を母国語とする人は日本語で思考するから
③問題は解く際に必ず自分の頭の中で理解しやす言葉に変換して思考するから
上記の理由から語彙力は重要であると言えます。
では、具体的にどういう事なのかを項目ごとに見ていきましょう。
問題は基本的に日本語で書かれている
何を当たり前のことを言っているんだ。と思う人もいるでしょうが、これはかなり重要なことです。
考えてみてください。設問に書かれてある言葉の意味が正しく理解できていなければ、見当はずれな回答になってしまうことは容易に想像できますし、仮に何となく設問に書いてあることがイメージ出来たとしても、正しく言葉を理解していなければ、設問要求を満たせない可能性もあります。
例えば、国語の問題で文章の中に言葉の意味分からない単語が1つだけあるとしましょう。1つだけなら文章全体の読解に与える影響はほぼないでしょう。
しかし、言葉の意味が分からない単語が10個あったとします。この場合、文章全体を正しく読解することは出来るでしょうか?
意味を知らない言葉が沢山あるとすれば、いくら国語の読解の練習をしたところで無意味です。
これは何も国語に限ったことではありません。知らない言葉が多いほど、教科(分野)に特化した勉強をするのではなく、まず語彙を増やすことから始まるべきなのです。
英語であっても日本語を母国語とする人は日本語で思考する
英語の文章を読む時や英語を話そうとする時、日本語を母国語とする人間は必ずまず日本語で考えて理解しようとします。
このことは、決して悪いことではありませんし、英語のネイティブでない限り英語のままで理解したり、イメージしたりすることは非常に難しいことです。
つまり、英語を読む或いは話す際に日本語ベースで考えるのであれば、日本語の語彙が乏しければ英語は読めないし、話せないということです。
例えば、英作文の問題で「私にはその本はちんぷんかんぷんでした」という文章を作るとしましょう。
「ちんぷんかんぷん」という英語表現を適切に表現できる人は少ないと思います。しかし、日本語で「ちんぷんかんぷん」=「分からない」と別の言葉で言い換られると気づければどうでしょう?
「分からない」は”can’t understand”か”don’t understand”ですが、ここでは不可能のニュアンスが強いので
I can’t understand the book at all.という文章が出来上がります。
日本語での語彙が多いほど、別の同じ(似た)意味の言葉で言い換えることが可能になります。
このように、例え英語などの外国語であったとしても、日本語の語彙は非常に重要になってくるのです。
問題は解く際に必ず理解しやすい言葉に変換して思考する
さて、問題は解く際に必ず理解しやすい言葉に変換して思考するとはどういうことかを見ていきましょう。
例えば、次のような文章があったとします。
この文章の意味がすんなりと頭に入ってくる人もいると思いますが、そうでない人もいると思います。
問題は、中学生や高校生がこの文章を読んで意味を理解する際に、どのような手順を踏めばいいかということです。
まず前提として文に書いてある言葉の意味を全てしっている必要があります。次に行うことは、それぞれの言葉(単語)をより簡単な言葉(自分が理解しやすい言葉)に置き換えることです。
「規制」は「ルール」・「緩和」は「緩める」・「付随」は「つき従う」といった具合にどんどん変換していきます。
このように、自分が理解しやすい言葉に変換することで、スムーズに意味を取ることができるようになります。※言葉の変換は必ずしも同義語という訳でなくニュアンスが合っていればOKです。
読解系の問題では、このように言葉を自分の馴染みのあるものに変換して落とし込んでいく必要が出てきますが、そもそもこの言葉の変換作業自体が、語彙力がないとできないのです。
この力は、相手に分かりやすく説明する力や自分の考えをまとめる力にも応用できますので、これらの力もベースとなるものは語彙と言えます。
どうすれば語彙が増えるのか?
では、どうすれば語彙が増えるの?と疑問に思う人も多いと思います。
語彙を増やす方法は多岐に渡りますし、どの方法がベストというものもありません。
ただ、語彙がある程度あるかどうかを確認する一つの目安して、新聞に書いてある内容がしっかりと読み取れるかどうかを基準にするのがお勧めです。
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新聞を読んでみて意味の分からない言葉を調べていく。調べた言葉をまとめておいて、定期的に確認するといった方法が個人的にはお勧めです。もちろん、本を読むなど他の方法でも構いません。
語彙を増やすことも、受験勉強をすることもどちらもすぐに成果に繋がる性質のものではありません。
地道な積み重ねが、語彙を増やす為の近道であり王道と言えるでしょう。
まとめ
今回は語彙力の重要性について記事にしてみました。
語彙力が増えれば、受験勉強を行う中でより深い理解に結びつくことができますし、付随して人に分かりやすく説明する力や自分の考えをまとめる力など、語彙量に比例してさまざまな能力が向上します。
教科の勉強の土台とも言えるのが語彙ですが、案外そのことから目を背けている人が多いのが実情です。
語彙を増やすことは時間がかかるので、この記事があなたが語彙を増やす勉強を始めるきっかけになればいいなと思います。
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